国浪とんコツ日記。

真面目に不真面目なお医者、ひゃくとんによるコツコツ便り。

アンダンテ。

いつか 来た道

 

どもども、ひゃくとんです。

 

最近、でもないですが。

脱コロナで復活した満員電車に耐え切れず。

虚無のまま音楽を聞くことが多くなりました(´・ω・`)

 

今までの人生。

ミュージックはラジカセ越しに向き合って聞くもので、

適当に聴き流すことは滅多になかったんですが。

 

アーティストの力を借りて。

今日も一日、ぎゅうぎゅうに頑張っております。

モーモーミルク。

 

音楽といえば。

私、五線譜も読めない素人ながら、

音楽の用語は結構好きで。

 

特にお気に入りが、

表題の「アンダンテ」なんですよ。

アルデンテ、ではなく、アンダンテ。

 

速度記号の中の1つで、

イタリア語で「歩くような速さで」という意味の言葉になります。

 

いやぁ。

この”歩くような速さで”って響き。

めちゃんこ好きなんですよ。

 

歩く速さって。

本当にひとそれぞれじゃないですか。

 

スタスタと風を切って進む人もいれば。

のんびりと風景を見ながら行く人もいる。

 

音楽シーンでも。

それぞれのアンダンテの心地よさって、

かなり違ってくると思うんですよね。

 

歩き方だって。

前を見ながらだったり。

下を向いたままだったり。

同じ歩くでも解釈は全然違ってきますもんね。

 

実生活でも。

歩くたびにふと思うわけです。

 

何も考えずに歩いてきたけれど。

この速度は、自分に見合ったものなんだろうか。

 

本当は急ぐ必要がないところで早歩きをし、

向こう見ず通し、ぶつかってはぶつけられ。

 

もっとスピードを出すべきところで、

怠けてジョギングしてやいないか。

 

自分ではしっかり歩いているつもりでも、

どんどん抜かされているような感覚に陥り。

通勤時間帯のプラットホームのように。

人混みの途切れの先頭は常に自分で、横入りされたり、横切られたり。

 

いや。

感覚の方が正しく。

歩いているふりをしているだけで、実際は立ち止まっていて。

周りに流されて歩き続けているようで、

その実、ふと目線をあげれば、景色が全く変わっていない。

 

そのうち歩き方も忘れて。

今までどんなふうに歩いてきたのか。

これからも同じように歩けばいいのか。

分からなくなってしまうのでは。

 

一本道でも。

交差点でも。

青信号だからと愚直に渡っていたけれど。

その先の景色は渡る前に見たかった未来だったのか。

 

悩んでいるうちに信号は点滅して。

もう二度と引き返せないのではと必死に後戻りしたくなり。

 

交差点のど真ん中で。

身動きが取れなくなって。

擦り切れた靴底に、

寝起きのように硬く元気なふくらはぎ。

 

もっと歩けたのに。

もうこれ以上進めないのに。

 

それでも。

立ち止まったその場所では、

白線は自分から末広がりに伸びているように見えて。

 

もしかしたら。

歩こうと決めた、今この瞬間がスタートで。

 

どちらが後ろでもなく。

どちらが前でもなく。

 

誰のものでもない、

自分だけの一歩で。

 

ゆっくりと。

噛み締めるように膝を上げ。

ひりついた踵が地面からふわりと浮いていき。

 

身体が、心が。

歩くような速さで。

前に。

 

そう。

ここから。

自分で何もかも決めていくんだ。

 

そんなことを想いながら。

日々を生きておりまする。

るんるん